9月、産地はケニア・ニエリへ移りました。到着した週はちょうど雨上がりで、丘の斜面いっぱいに赤く色づいたチェリーが広がっていたのを覚えています。持ち帰った生豆をハゼの音まで聞き分けながら焙煎するのは、いつも以上に緊張する時間でした。
CONCEPT
在庫は、持たない。
物語は、削らない。
棚に常時十数種類の豆を並べる焙煎所が多いなかで、旅暦珈琲は月にひとつの産地しか扱いません。理由は単純で、焙煎士がその年に実際に足を運べる農園の数がそれくらいだからです。
お客様のカップには、いつも先月とは違う旅の記憶が注がれます。
ONE ORIGIN, ONE MONTH
棚に並べる産地を、常に一つだけに絞っています。焙煎士が実際に足を運べる農園の数は、多くても年に十数か所。だから量より、一つの土地を深く知ることを選びました。
SMALL BATCH ROAST
一度に焙煎する量は、常に数日分だけ。豆の状態やその日の気温・湿度に合わせて、プロファイルを毎回微調整しています。
ZERO STOCK
売れ残りの豆を抱えないための「在庫を持たない」設計。前月の産地はなくなり次第静かに棚を去り、次の旅へと引き継がれます。
QUALITY DETAIL — 2026.09
ORIGIN CALENDAR
直近の産地暦
毎月15日、次の産地が発表されます。前月の豆は数量がなくなり次第、静かに棚を去ります。
NYERI
2026.09 — 今月
ニエリ、ケニア
Kangunu Factory / ウォッシュド
ALT 1,750m ・ WASHED ・ BLACKCURRANT / TOMATO / BROWN SUGAR
カシスを思わせる強い酸とトマトのような旨み。標高1,750mが生む、澄んだベリー感。
ACEH
2026.08
アチェ、インドネシア
Pak Rahman 農園 / ウォッシュド
ALT 1,300m ・ WASHED ・ SPICE / CACAO / CEDAR
スパイス、カカオ、杉の香り。標高1,300mの湿った土壌が生む厚みのある口当たり。
HUILA
2026.07
ウイラ、コロンビア
La Esperanza 農園 / ナチュラル
ALT 1,780m ・ NATURAL ・ RIPE BERRY / RED CLAY / CARAMEL
完熟ベリーのような甘さと、乾いた赤土を思わせる余韻。
ROASTING JOURNAL
焙煎日誌
産地暦の裏側にある、その月ごとの小さな記録。
8月、今月の産地はインドネシア・アチェです。Pak Rahman農園から届いた麻袋を開けた瞬間、焙煎所じゅうに杉のような香りが広がりました。生豆の時点でここまで個性が伝わってくる産地は久しぶりで、焙煎のあいだ何度も味を見に立ち会うことになりました。
7月は、コロンビアのウイラ県を訪ねました。La Esperanza農園の乾燥棚に並んだ豆を見せてもらったのが、忘れられません。天日と風だけで数週間かけて仕上げると聞きながら、店で出しているこの一杯の背景が、ようやく腑に落ちました。
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